ルネサス懇、人件費削減施策を語り合う。

− 会社提案を受けた感想 −

                                 参加者 : A委員(ルネサステクノロジ出身:座長)
                                        B委員(ルネサステクノロジ出身)
                                        C委員(NECエレクトロニクス出身)
                                        D委員(NECエレクトロニクス出身)


A) 本日は台風の影響で蒸し暑いなか、急遽お集まりいただきまして、有難うございます。今日話題に
 取り上げますのは、つい先週会社から労働組合に申し入れが為されました人件費削減施策について
 です。会社は労働組合に対し、月例賃金の7.5%カット、それに年末一時金の12%カットを提案して
 きました。これによって月給30万円の人なら、概算上約15万円の減額になります。裁量労働者なら、
 おおむね20万円以上です。賃金カット自体が容易には受けられないものですし、会社は業績悪化の
 辻褄合わせをしようとしているようにも見えます。なぜこうなったのか、会社の提案は妥当なものなの
 か、皆さんで議論しましょう。


【会社提案を受けた感想】

B) 8月の連休明けに、どうも会社が人件費の削減をやるらしいと言う情報が入ってきました。最初は
 施策の中身が判らなかったので、また早期退職の募集をするのではないかとの憶測も飛びましたが、
 実態は賃金と一時金のカットでした。RTは、統合前の年にも賃金一時金カットをやっていますので、
 またかと思いました。

D) ELは賃金カットに馴染みがないですね。私の記憶では、NEC時代から今に至るまで、賃金カット
 と言うのはありませんでした。一時金の大幅減と言うのはEL時代に経験していますけど。それから今
 回は、無給の休日とか、一時帰休とか、残業ゼロ+フレックス休止みたいな案件は無いみたいですね。
 それだけは有難かったと言うべきか。

C) しかし理由が解せませんね。やはり会社の業績悪化に対する辻褄合わせのように見えます。とい
 うのも、カットの根拠が、8月2日に外部にコミットした年間の最終損益▲400億円の達成と、下期の
 黒字達成のためでしょう。目標達成のためには人件費も削るしかないって言う理屈自体、結論からフ
 タをしている様で、過去の春闘の理屈と同じではないですか。もう呆れて笑っちゃいそうでしたね。

B) RT労組の「速報RUN」によると、要するにこういう事です。先の春闘では、震災による被害状況や
 業績への影響が明らかでない中で、それまでの交渉経過を踏まえて一旦の回答を会社が出しました。
 そして、その後の復興の状況によっては、改めて会社から申し入れを受ける余地を残していました。
 今回改めて、賃金一時金、その他のカットについて、会社から申し入れがありましたので、約束に従っ
 て真摯に受けますと。
  それを読んで、「あれっ」と思いました。私は、見直しされる可能性があるのは一時金だけだと思って
 いました。ルネサス懇が4月の頭に発行したWEB限定版第2号ビラにも、そのように書いていたんで
 す。電機の他の大手がそうだったから、ルネサスも同じだと思ったんです。それで改めて春闘の資料
 を読み直してみたら、一時金だけ見直すとは、どこにも書いてなかったんですよね。しまったと思いま
 した。

D) 私も気付きませんでした。EL労組の資料にも、一時金だけとは書いてありませんでした。だけど、
 春闘の時点では、一時金の行方が不明だったものの、賃金体系は維持される見込みだったと聞いて
 います。だから、再申し入れと言っても、それは一時金に限ると考えるのが自然ですよね。賃金カット
 まで持ち出すのは如何なものでしょうか。おまけに何で時間外割増率のカットまで入っているのでしょ
 うか。割増率の話などは、春闘で議論の俎上にさえ上がっていなかったと思います。徹夜勤務手当て
 のカットも同じです。春闘で話題にしていないものまで上げて来るのは、問題ではないでしょうか。

B) ルール違反ではないけど、素直に納得できませんね。

C) もしかしたらルール違反かも知れませんよ。時間外割増率の法定基準への引き下げは、EL時代
 から何度もやっています。最近だと2009年にやったばかりです。労働基準法というのは、労働条件
 の最低基準を定めた法律なんです。だから第一条の2項で、“この法律を根拠に、労働条件を引き下
 げてはいけない”と定めているのです。今回のケースは臨時だとしても、その臨時の施策をしょっちゅ
 うやっていれば、実質的には労働条件自体が下げられているも同じですよ。クロではないかも知れな
 いけど、グレーですね。

A) 時間外割り増し率のカットなどではなく、本来は残業時間を削減すべきでしょうね。武蔵事業所では、
 月の平均残業時間がだいたい35時間くらいです。裁量労働者だけでなく、時間管理者もです。60時
 間を超える長時間残業状態に慢性的に置かれている労働者も、少なからずいる筈ですので、会社に
 とっては残業代の原資だってバカにならないと思いますよ。まずはここから是正すべきと思います。