ルネサス懇、大量退職と今後のルネサスを語り合う。

− WiiUは売れるのか −

A) 今後のルネサスの行方を占う上で、直近の業績が注目されていますが、私たちの強みであるマイ
 コンの受注がかなり落ち込んでいて、今年度の決算は厳しいという見方がすでに内外に広く伝わって
 いるなかで、今月発売された任天堂のWiiUがうまく立ち上がるかどうかも注目されていますね。その
 理由は、WiiUにルネサス製の半導体が基幹部品として搭載されているからです。ではここで少し話
 題の方向性を変えて、このWiiUが成功するのかどうか、Bさんの方からお話をお願いできますでしょ
 うか。

B) 私向けのテーマを用意してくれてありがとうございます。重苦しい話題ばかりなので、たまにはこう
 いう息抜きもないとやっていられません。
  それでWiiUですけど、結論から言うと、ある程度の台数が出ることは間違いないと考えています。
 ただ普通に売れるのか、大成功を納めるのかは、これからハードの機能を生かしたソフトがどれだけ
 出るかにかかっていると思います。

D) あれあれ、ありきたりの答えですね。

A) 続けてください。

B) WiiUの構成の中で、最も特徴的で他機種との差別化の決め手となっているのが、タッチパネル付
 きの6.2インチ液晶画面を搭載したゲームパッドです。これによって、据え置き型TVゲームの世界が
 明らかに広がるだろうと考えています。
  ゲーム機にとってユーザインターフェイスというのは、すごく重要なんです。つまりゲーム機とプレイす
 る人間との接点となる入出力機器がどうなっているのかと言うことです。そもそも、ゲーム機で何がで
 きるかという範囲は、入出力機器で決まっていると言っても過言ではありません。
  もう少し具体的に説明しますと、1983年にファミコンが登場したとき、入力デバイスは十字キーと2
 つのボタンの付いたゲームパッドで、出力デバイスは家庭のテレビでした。ですから、初期の家庭用
 ゲーム機というのは、テレビから発せられる映像と音声を受け取り、指先の動きを通じてコントローラ
 から入力情報を伝えるという、その範囲で完結したものだったと言うことが出来ると思います。
  その後ハードが進化して、スーパーファミコンやプレイステーションへと世代交代した90年代には、
 入力面ではアナログ入力が可能となりましたし、出力面ではプレイステーション用のデュアルショックな
 ど振動を伝える機能がコントローラに付加されたりしましたが、80年代の基本路線は2000年代の前
 半まで踏襲されていたと思います。この間、CPUの性能が格段に向上しましたし、メモリ容量も大幅
 に増えて、またそれらに見合うだけの大容量の記憶媒体も普及したおかげで、ゲームの映像も音声
 も、どんどん良くなりました。さらに1本のゲームの内容も重厚かつ精細なものになって行きました。言
 わば、ひとつのパラダイムの中でゲームがより高度化、複雑化していった時代だったと思います。
  こうした家庭用ゲーム機に20年余り続いたパラダイムを変えたのがWiiだったのではないかと私は
 思っています。Wiiが斬新だった点は、もちろんWiiリモコンにあります。リモコンに加速度センサーを
 入れたおかげで、従来は指先の動きでボタンやレバーを操作するだけだった入力動作に、リモコンを
 丸ごと「振る」という動作が加わりました。入力デバイスとしてはその後、WiiFitでバランスボードが加
 わり、体全体を使った動作を入力することが可能にもなっています。
  次に出力デバイスの側ですが、Wiiが大画面テレビに適応した点も見逃せませんね。これは単に水
 平走査線の数が480本あるDVDの画質に対応したというだけでは無くて、大画面だからこそ味わえ
 る臨場感のあるゲーム作りを目指したという事です。また、リモコン自体にも振動機能のほかにスピー
 カーが付いていて、効果音も発せられるようになりました。こうして、リモコンを通じて手応えや反応を
 感覚として受け取ることが出来るようになりました。
  Wiiは、家族の集まる家庭のリビングで、大画面テレビの前で家族全員が楽しめるゲーム機を目指
 した点が素晴らしいのですが、それを可能にしたのは、何よりも的確な入出力デバイスの選択だった
 と思います。同じ2006年にソニーから発売されたライバルのプレイステーション3は、ハードの性能で
 はWiiを圧倒的に凌駕しながら、販売台数ではずっとWiiに負けていました。プレステ3は発売当初、
 ブルーレイドライブ用の青色発光ダイオードが入手困難のため生産が滞り、出だしで大きく躓いたと報
 告されていますが、出だしだけでなく、その後の数年間もWiiの後塵を拝することになったのは、プレス
 テ3がお化けのような性能を持ちながらもコンセプトが従来のパラダイムの領域を出ないマシンだった
 ことも原因ではないかと言う気がします。
  プレステ3のゲームは、別に大画面とサラウンドシステムを使用せずとも、6畳間に一人で22インチ
 程度の画面を前にヘッドフォンをかけてプレイしても、そんなに面白さに差が出ないと私は思います。
 ブルーレイディスク、水平走査線1080本のフルハイビジョン映像、7.1チャンネルのサラウンド音声、
 HDMI規格対応など、当時としては最先端の仕様を取り入れながら、それをどう使えば今までに無かっ
 た楽しい世界を構築できるのかというコンセプトが弱かったのではないでしょうか。実際に、プレステ3
 の人気ソフトであるバイオハザードやモンスターハンターや、プロ野球スピリッツやアンチャーテッドな
 ど、すべて携帯ゲーム機器への移植もされていて、しかも人気があります。Wiiのスーパーマリオやマ
 リオカートだってDSに移植されているではないかと言われそうですが、これらのソフトの素晴らしいの
 は、DS用にはDS用の、Wii用にはWii用の、それぞれの面白さがあることです。Wii用では、みんな
 で集まって大画面でやる楽しさがありますが、楽しさを増しているのは、Wiiのゲームの難度が初心者
 でも楽しめるレベルになっているからであり、難度を下げても楽しいのはリモコンを振ると言った簡単か
 つ体を大きく使う動作に対応しているからであり、そしてそれは加速度センサーを持ったWiiリモコンと
 いう入力デバイスが標準機器として付いているからだと考えます。ユーザーは必ずしも指先の器用さと
 か、操作上の熟練を要求されないのです。

D) 魅力的なゲーム機をつくるには、CPUの性能以上に入出力デバイスが重要という事ですね。

B) 私はそう考えています。そしてまさにその理由から、WiiUのある程度の成功は見えていると思って
 いるんです。
  WiiUの最大の特徴は、先ほども言いましたがゲームパッドにあります。入力の手段として、スマホや
 タブレットPCでお馴染みとなった画面への指タッチが加わりました。それから、さらに重要なのがゲー
 ムパッドの出力デバイスとしての機能で、液晶画面を通じて視覚的な情報が、テレビ画面とは別に得
 られるようになりました。

D) 重要なのは、それらの機能を使って、結局何が出来るのかだと思いますが、その点はどんな使い方
 が考えられるのでしょうか。

B) さあ、わかりません。と言いますか、それこそは任天堂や他のソフトメーカーの想像力の発揮どころ
 ではないでしょうか。だから冒頭で言ったように、WiiUが大成功するのか小成功で終わるのかも、今
 後出るソフト次第だと思います。
  とはいえ、現在出ているタイトルにおける使われ方が参考にはなると思います。まず、スーパーマリ
 オではTV画面と同じ画面を表示可能としています。ゲームがテレビを占領してしまわないように、ゲー
 ムパッド単独でもプレイできるようにしたとのことです。ただし、ゲームパッドはWii本体からの無線通
 信でデータを受け取っているだけで、パッド単体では動作しませんから、本体と離れたところでは操作
 できません。そこが携帯ゲーム機との違いです。

D) あくまでも、家族の指向がテレビとゲームに分かれた時の使い方という訳ですね。しかし今時、リア
 ルタイムで観たいテレビ番組も減りましたね。ニュースとか天気予報とか、スポーツ中継のライブなどを
 除くと、録画でも構わない番組ばかりです。もっと積極的なゲームパッドの使い方はありませんか。

B) スーパーマリオでは、タッチパネルから他のプレーヤーを助ける”お助けプレイ”が可能になってい
 ます。タッチパネルからの入力で、ゲームを直接コントロールする使い方です。
  スーパーマリオ以外では、面白そうなのが「ゾンビU」というゲームです。ここではパッドがゲーム中
 の主人公が使用する道具の代わりになっていて、ライフルでゾンビを狙い撃つ時にはターゲットスコー
 プの役割を担ったりするなど、今までにない使われ方がされているようです。

D) ゾンビですかあ。私はこう見えて自称「ゾンビ研究家」でしてね。出張などでホテルに宿泊するとき
 には、部屋に着くと必ず最初にフロアマップを確認して、宿泊中にゾンビの大群が襲ってきたときのた
 めに非常口の場所を確認するのですよ。それから日頃も、会社の食堂で昼食を食べているときにゾン
 ビが現れたら食器返却口の狭い隙間から厨房に逃げ込んで時間を稼ごうとか、事務所で勤務中に出
 現したら近くにあるキャビネをよじ登って天井の板を破って梁づたいに逃げようとか、いろいろと頭の中
 でシミュレーションしていますよ。私の居るフロアには、消化器以外に使えそうな武器が無いのが気が
 かりです。
  最近、ゾンビの映画がものすごく増えましたけど、名画に値する作品では、人間とゾンビの力のバラ
 ンスが良くて、ゾンビ1体なら対処できても、大群で来るから恐ろしいところとか、少しでも噛まれれば
 助からない恐怖感とか、世界全体を覆う絶望感なんかが漂っているものです。私が考える傑作をいく
 つか紹介しますと、・・・・。

B) その話はまた今度お願いします。話を続けますけど、ゲームパッドの他の使われ方としては、ゲー
 ム中のマップを表示するなど、サブ画面として機能させるようなものもあるようです。

D) メイン画面とサブ画面という構成はDSが元祖だと思いますが、同じソフトがDSとWiiUの両方で発
 売される可能性もありますかね。

B) さっきのプレステ3の話と逆になりますが、そういう使い方は据え置き型ゲーム機と携帯ゲーム機の
 双方の特徴を生かすのが難しいと思いますから、任天堂が出すもの以外は、あまり期待しない方が良
 いと思います。それよりも、DSをWiiUの端末として使えば、また違った楽しみ方が出来そうです。と言
 いますのは、付属のゲームパッドは1つだけですが、複数のゲームパッドを用意して個々のプレーヤー
 が別々のパッドを持つようになれば、タッチパネルはパッドの持ち主だけが見ることのできる「プライベ
 ート画面」となります。テレビ画面の方はプレーヤー全員が見ていますから、情報を隠せませんよね。
 パッド側にプライベートな画面があることで、麻雀のように手の内を隠しながらプレイするゲームができ
 るようになります。これは対戦型の戦略ゲームなどに向きそうです。ここでゲームパッドの代わりにDS
 を端末に使っても、同じ事は可能だと思います。

D) いろいろと楽しいことが出来そうだと分かりました。WiiUの初回売れ行きは好調だと聞いています
 し、クリスマスで子供たちが欲しいと言っているみたいです。あえてマイナス要因を挙げるとしたら何で
 しょうか。

B) そうですねえ。まず初回にリリースされるソフトが少ないことと、どろどろした成人向けゲームが多い
 事でしょうか。今までのWiiのゲームとは、少し系統の違うものが中心に思えます。

D) どうしてそうなったのでしょうか。

B) 他機種のユーザーを取り込もうとしたからだと思います。
  WiiUは、Wiiとコンパチに作られているので、既存のWiiのゲームはプレイ可能です。また、Wiiの本
 体に記憶されているデータ類や、ダウンロードしたコンテンツ、プリペイドカードのポイントなど、すべてW
 iiUへ引っ越し可能なんです。つまり、WiiUを買ったら、古いWiiは捨てても問題無いのです。これって
 結構重要だと思いませんか。それから、Wiiリモコンやセンサーバーを別売りにして、代わりに値段を下
 げているのも、古いWiiからの乗り換えを想定しているのでしょう。つまり、全世界で1億台近く売れた実
 績を最大限強みにするために、まずは既存ユーザーの確保を目指しているのだと思います。
  一方で、Wiiは中学生から若い社会人までの取り込みが今ひとつ出来ていないと言われています。こ
 の年代のニーズに合ったゲームが少ないからと言うのが理由のようです。どろどろした成人向けゲーム
 をラインナップに加えて、この年齢層も取り込もうとしているのだと考えられます。幼い頃にWiiを買って
 もらった世代が中学生や高校生になって、次に新しいゲーム機を買ってもらう時に、プレステ3ではなく
 WiiUを選んで貰いたいのでしょう。

D) リスクもありそうですよね。かえって幼い子供のために買ってやろうと言う気持ちを削ぐとか。

B) Wiiの持っている明るい楽しいイメージを損なってはいけないと思います。

D) どうせ少子化が進んでいるのですから、高齢者を取り込む事を考えた方が、マーケットを拡大する余
 地があると思うのですけどね。その点はどうですか。

B) 団塊の世代が大量に退職した後ですから、60代から70代前半をターゲットにするのが合理的です
 ね。だけど、ゲーム機を高齢者に合わせるという考え方だと、無理があると思うのです。高齢者が何を
 求めているのか、それを実現するのがゲーム機なのかどうかを考えた方が良いと思います。
  これは私自身の反省なのですが、アップルがスマホを出した時に、私はこれが売れるとは思わなかっ
 たのです。理由は電話機として使いづらそうだからです。それまで主流だった折りたたみ式のフィーチャ
 ーフォンの方が、よっぽど使いやすいと思ったのです。それは結局、スマホを電話機だと思っていたの
 が原因です。スマホは単なる電話機と言うよりはむしろ、ネットに対応した携帯端末だったのですよね。
 だから仮に電話機として多少の使いづらさはあっても、総合的には便利なツールだったのです。私はそ
 れが見抜けませんでした。だからここでも、ゲーム機と言う範疇に拘らない方が良いと思うのです。どう
 いう場面で、どのような用途が求められているのかを原点に考えるべきだと思います。
  今のWiiUでもインターネット閲覧はできますが、パッドの画面は小さいし、テレビ画面は遠くて見づら
 いですよね。iPADが小さいサイズのものを出しましたけど、高齢者向けにはむしろ大画面でかつ簡単
 に操作できるタブレットPCが良いのかも知れません。
  もしあくまでもゲーム機に拘るのであれば、高齢者向けには体を使うものが良いと私は思います。Wii
 Fitは良い線を行っていると思いますが、もっと高齢者にやさしい入力機能をベースにアプローチした方
 が良いでしょうね。手のひらで叩くような大きなボタンとか。

D) 最近よく聞くのが、ゲーム機器がスマホに食われているという話です。スマホの影響はないでしょう
 か。

B) どうでしょうか。私は自宅でスマホのゲームはやりませんけど。通勤電車の中とか、外出先の限られ
 た環境で時間を潰すには、スマホは便利だと思います。スマホの長所は、何よりも「軽い」ことです。軽
 いというのは機器の重量のことだけではなく、軽快だと言う意味です。一方で、据え置き型ゲーム機は
 「重い」です。つまり重厚という意味です。プレイする場所や姿勢を固定されるし、本体やテレビの電源
 スイッチを入れてからゲーム開始までの時間が長いし、ゲーム自体もなかなか中断できなかったり。だ
 から1回立ち上げたら、最低でも30分はプレイしますよね。スマホのゲームなら、もっと気軽に小刻み
 にプレイが出来ます。バッテリーの消耗の激しさが改善されれば、今よりももっと軽快に使えるようにな
 るでしょう。
  コンピュータゲームなら何でも同じという訳ではないです。WiiUに出来ることで、スマホには出来ない
 ことが沢山あるはずです。WiiUのゲームをプレイする時間や環境がある限り、直接的にスマホに取っ
 て代わられる事は無いと私は思います。むしろ、例えば学生など、学校や部活やバイト、それに塾や家
 庭での学習時間で一杯になってくると、のんびりゲームをしているゆとりも無くなって、合間の時間でも
 できるスマホを選択するかも知れません。その意味で、据え置き型のゲーム機の方が「重い」分だけラ
 イフスタイル上の制約を受けやすいのだと思います。

D) 世の中の流れとして、「重い」ものが敬遠される傾向にありますよね。読書なんて、趣味の中では重
 くも軽くもない中間程度の部類に属すると思いますが、出版業界は苦戦を続けていますよね。雑誌を
 含めた出版物の売上は年間で2兆円を切っています。ところがパチンコみたいに刹那的で軽い趣味は
 30兆円産業です。いや、パチンコ店という場所を固定される点では、重い部分もあるかな。そう考える
 と、パチンコの将来も危うかったりして。スマホなどで、パチンコと同じくらい簡便で刺激があって、しか
 も奥の深いギャンブルが可能になれば、パチンコ店は廃業ですね。まあ、とにかく、時間をかけて、じっ
 くり取り組む趣味を持つのが難しい時代になっていますよね。

B) 趣味を持つことを好ましいと考える価値観が支配的であれば、まだ良いと思います。このところ、ル
 ネサスを筆頭に各社とも激しいリストラをやっていますでしょう。リストラの副作用として、「役に立たない
 者は会社を去れ」みたいな風潮が、ますます強まったと感じませんか。こうした価値観は、我々のプライ
 ベートな時間の使い方にも影響を与えますよね。英語の勉強とか、仕事の役に立つことに使うのが望
 ましくて、ゲームとか仕事の役に立たないことをするのは暇人の所作であり害毒であるとか、そんな事
 に時間を使う奴は首になってしまえ、自業自得だざまあみろ、みたいな。

D) 我々ルネサス懇も、仕事の役に立たないことを議論しているくだらない連中だと思われたりね。

C) 暗いですねえ。本当に暗い。

B) 任天堂と言う会社の素晴らしさは、何よりもゲームをして楽しむことに肯定的な価値観を与えている
 点にあると私は思います。

A) 私たちの仕事は半導体という部品を造る事ですから、私たちの仕事の価値は、半導体が組み込ま
 れた最終製品の価値以上のものには成り得ないのです。もしWiiUでゲームを楽しむことが害毒であ
 るとしたら、そのための半導体を造っている私たちの仕事もまた害毒であり、ルネサスは社会に悪事
 を為して利益を得ているとんでもない会社だと言う事になります。

C) ルネサスの仕事を否定しないためにゲームを肯定するのも間違いだと思いますけどね。逆だと思う。
 仮にゲームが本当に害毒なら、ゲーム用の半導体は造りませんと言えば良いでしょう。

B) 私はゲームを肯定していますよ。スーパーマリオもマリオカートも、これ以上面白く無くてもいいん
 じゃないかと思うくらい、もう完璧に、ものすごく面白いゲームだと思います。こんな面白いエンターテイ
 メントが、たった数千円で買える機会を私は他に知りません。でも今の私には、誠に遺憾ながら、ゲー
 ムをやり込んでいる時間がありません。そして、この「時間がない」という現象は、たまたまルネサスの
 業績が悪化していてリストラをやったから忙しいのが原因ではなくて、世の中全体の流れが速くなって
 いるからだという気がします。それに合わせてゲーム機の世界も、重たいゲームから軽いゲームへと
 移行しているのではないでしょうか。スマホが据え置き型ゲーム機を食っているのではなくて、そうい
 う全体の流れの中で、スマホの方が私たちの生活時間に適応しているのだと思います。この流れは当
 面続くと私には思われます。
  そうであれば、WiiUもその流れに乗って、携帯端末のような軽いメディアとの連携がうまく出来れば、
 もっと売れるのかも知れません。WiiFitUでは、万歩計を進化させた活動量計と連携していますが、こ
 れがひとつの例だと思います。私たちが日頃身につける電子機器は、これから増えて行くと思いますの
 で、それらといち早く連携を取ったゲームを開発することも、ゲームの世界を広げる有効な方法だと思
 います。

D) 本日はオタッキーな解説を有難うございました。

B) オタクは十数年前に廃業しました。今は仕事と家事育児に忙しい一児の父親です。5歳になる子供
 も、そろそろゲーム機を欲しがる年代ですから、来年のクリスマスには我が家もWiiUを買うかも知れま
 せん。