ルネサス懇、秋闘を語り合う。

− 要求月数とのギャップ −

【要求月数とのギャップ】

A) 要求月数が2.5ヶ月だったでしょう。妥結月数はそれを0.5ヶ月も下回りました。これも異例のことで
 す。2.5ヶ月という要求自体が高かったのだという見方もあると思いますが、如何ですか。

C) ELの場合、最低でも2.25ヶ月は取りたかった訳ですから、2.25ヶ月を基準にプラスαを要求した
 のは妥当だったと思います。別に無茶な要求でも何でもないでしょう。むしろやっぱり妥結月数が低いの
 だと思います。
  秋闘の前は、上期の業績を30億円程度の営業赤字と見ていました。ところが実際は7億円の黒字で
 したよね。黒字でこの回答は無いだろうと思いませんか。大赤字でも4.0ヶ月は最低限キープが、これま
 での一時金でしたよ。

D) 労働組合の資料を読むと、この冬の一時金の算定には前年度の業績がベースになると会社側は主
 張した様です。ちょっとひどいですね。半年前の春闘の直後には、当時の山口社長が、電機連合の最低
 水準である通年4.0ヶ月を認識したと言っていたのですよ。そう聞いたら、上期頑張れば通年4.0ヶ月
 は当然取れるだろうと普通は思いますよね。
  それに春闘はRTが2.0ヶ月だったのに対し、ELは1.75ヶ月でした。このギャップは、3月までは別会
 社だったのだから、それぞれの会社の業績で交渉した結果だと説明されています。それは理解します。し
 かし統合会社になっても前年度の業績で判断するのだと言われると、ちょっと待ってくれと思います。だっ
 て前年度の営業赤字額はRTの方が大きかったのですから。EL側から見たら、そんなの今さら持ち込ま
 ないでくれと思いますよね。だったら冬の一時金は、元ELの社員だけ0.25ヶ月上乗せしてくれよと思っ
 て当然でしょう。夏と冬で基準とする業績が同じであるなら、両方合わせて通年で何ヶ月とするべきと言
 う考え方もありえます。それがダメなら、せめて元EL社員だけ「調整金」とか何とかいう名目で、一時金
 に上乗せするとか。

C) そうですね。冬も前年の業績で判断するなら、それを春闘の段階ではっきり言っておくべきだったでしょ
 う。上期も終わって秋闘に入ってから、実は前年業績なのだと言われてしまうと、だまし討ちにあった様に
 感じますよね。だったら別に秋まで待たなくったって、1Qの内に交渉をやってしまえば良かったではない
 ですか。春闘の時にやるぞと予告しておいて、4月に入ってすぐに交渉するか、せめて前年度の最終的な
 決算のわかる7月くらいには実施できたはずです。秋闘ではなく夏闘で良かったではないかと思います。

D) 理屈を言えばそうですよね。会社側としては、前年度の決算を軸に交渉する方が、一時金を低く抑えら
 れるし、交渉時期を出来るだけ遅くさせれば、それだけ不測の事態に対処できますよね。ですから、前年
 度の業績をベースにすると言う理屈を保持しながらも、円高が急激に進んだ後の10月に交渉できたと言
 う時点で、会社側は既に勝っていたとも言えますね。昔ながらの秋闘というスタイルに捕らわれた労組側
 の敗北と言えるかも知れません。