ルネサス懇、秋闘を語り合う。

− 厳しかった秋闘 −

A) 11月は暦の上では霜月と言いますね。月の前半は暖かくて過ごしやすい陽気が続いていましたが、
 ここに来てだいぶ涼しくなって来ました。特に明け方はかなり冷えるようになりましたし、インフルエンザや
 ノロウィルスが流行を始めたとも聞きますから、体調など崩されないよう気をつけて、元気に乗り切ってい
 きましょう。
  さて、本日の議題は、前回予告しましたとおり、秋闘の結果と、100日プロジェクトのその後を、人的施
 策を中心に取り上げることにしたいと思います。今回は議題が2つあって、ちょっと大変だと思いますが、
 よろしくお願いいたします。


【厳しかった秋闘】

A) では、最初に秋闘の方から行きましょう。10月20日に労働組合は冬の一時金2.0ヶ月で妥結しまし
 た。先月の会議で私たちは、妥結点を2.25〜2.35ヶ月と予想しましたから、見込み以上に低かったと
 言えます。この妥結月数をどう見るか、どう評価するかについて、まずは話し合いたいと思います。

D) 私も2.25ヶ月+αと考えていました。それは、旧ELの事情を加味してのことです。前回もお話しまし
 たように、ELにとって2.25ヶ月は譲れない線だったはずです。通年で4.0ヶ月を確保するために、2.
 25ヶ月をストライキの基準にした攻防があるかと思っていましたが、労働組合は案外早くに要求を下げ
 てしまいましたね。その理由が何だったのか、知る必要があると思います。

A) そうですね。前回私は、枠組みの強さという事について語りました。つまり、世間相場という枠組みが
 あって、そこに我々の給料や一時金は、がっちりとはめられているのだという事です。このことを前提に、
 過去の交渉結果から大幅な逸脱はないだろうと考えた末に、2.25ヶ月+αと予測したのです。その意
 味で、今回の結果は枠組みを外れたとも見えます。あるいは、電機連合の拡大中闘に属するRT労組だ
 けは何とか通年4.0ヶ月のラインをぎりぎり保って、徳俵で残ったと言う見方も出来ますね。いずれにし
 ても、予想を超えた厳しい結果になったのは何故なのでしょうか。

B) 上場会社としての洗礼を受けたのかなあと私は思いました。

A) 先月の議論では、「初めにフタ」と言う話をしましたね。株主はじめ外部のステークホルダーに対し年初
 にコミットした目標値という縛りがあって、一時金が業績に対する最終的な調整弁のようになってしまって
 いると。上場会社では業績がオープンになるし、目標値は株主に対する約束でもありますね。だから、そ
 の約束を果たすために、一時金がバッファーとして機能しているとの見方も出来ます。
  今回の秋闘の間にも、このままでは年度末の目標達成が厳しいという話が出てきました。

B) それも会社回答日の前日に社長通信で、いきなり100億円分の緊急費用削減施策を追加でやると
 言う話が出てきましたよね。あれは何だったのでしょうか。しかも緊急と言いながら、あれから1ヶ月経っ
 ているのに、具体的にどんな費用削減をするのか発表がありません。結局、秋闘に水をかけるための発
 表だったんじゃないのって気がします。

A) いいえ、発表はされていますよ。10月27日の決算報告の中で、R&D費を追加で100億円削減する
 と社外にはちゃんと発表しています。それが従業員にきちんと伝わっていないとすれば問題でしょう。

D) EL社員は、緊急費用削減施策というと嫌なものを思い出します。フレックスの休止をまたやるのでは
 ないかとか、出張手当を削ったり、残業代割り増し率の削減とか。だから何をするのか具体的に報告して
 欲しいと思いますね。

B) RTだってそうですよ。賃金カットとか、無給の休日とかを連想します。だけど今回はR&D費で削減す
 ると言うのなら、そういう施策はやらないと思って良いですね。だけどそれならそれで、開発部門には通達
 があっても良さそうなものです。上には指示が来ているのでしょうけど、私のところまでは降りてきていな
 いですね。部門毎にいくら割り当てられているという話も聞きませんが、大丈夫なのでしょうか。
  とにかく、秋闘の回答日前日に費用削減の話を持ち出すことについては、作為的なものを感じずにはい
 られません。せこいなあって思いますよ。