ルネサス懇、早期退職制度を語り合う。

− 会社からの説明について −

A) 9月に入っても猛烈な残暑が続きますね。今日の東京の最高気温も35℃近くに達する見込みです。
 この猛暑の中、お集まり頂きまして、委員の皆様には大変ご苦労様です。さて、先日、100日プロジェクト
 のやや詳細な検討結果について、会社の方から説明がありましたね。その中で一番インパクトのあった
 のが早期退職優遇制度を今回またやると言う発表でした。推定人数として1200名とも発表されています。
 この人数は、我々が先月上旬に議論したときの推定値とほぼ同じですね。そこで今回は、この早期退職
 問題に絞って、今後どのような問題が起きてくると予想されるのか、それにどう対応して行ったら良いのか
 について話し合いたいと思います。よろしくお願いいたします。


− 会社からの概要説明 −

B) 武蔵事業所では、8/27(金)に本部長を通じて約1時間の説明会がありました。

D) 玉川事業場の私の職場ではまだです。来週やっと説明会を開くという話でした。それよりも先週になっ
 て、労働組合のホームページに情報が載っていることに気が付きましたので、そちらは全部読みました。
 職制を通じた情報展開という意味では、やはりRTの方が強いみたいですね。

B) たぶんそれは日立の文化です。「この木何の木?ヒエラルキー」って言うくらいですから。ELでは、労働
 組合の情報が早いみたいですね。

D) いえ、そうでもないです。これまでは労働組合と会社の発表は一般に同時でした。だいたい同じ日にW
 EB掲載などで情報展開があったのです。今回気が付かなかったのは、会社からWEBによる情報展開が
 無かったことも理由のひとつです。7月末はちゃんと報告があったのですけどね。ちょっと変わったなと言う
 印象です。

A) それで会社からはどんな報告がありましたか。

B) 早期退職については、単に1200名という人数だけでなく、この会社の人数構成グラフをもとにした説
 明もありました。具体的に言いますと、この会社は40代の人数が多くて、特に間接(工場などの製造部門
 ではない)労働者の数は、40から45歳にピークがあると言うのです。このあたりの人員にだぶつきが見ら
 れるから、スリム化したいと言っていました。

A) 聞き捨てならない発言ですね。ELの部門ではどう報告されるのか注意していてください。

C) ELでそんな事を言ったら、大変な事ですよ。ELでは、NEC時代の2001年と、独立したあとの2008
 年の2回、早期退職制度を実行しています。いずれも経営が大赤字を出して切羽詰まった状況があって、
 それで希望者のみを対象に実施すると言う話でした。だけど人員構成からスリム化したいなんて話は無
 かったと思いますよ。

A) タテマエ自体が大きく変わったとすると危険だと思います。人員をスリム化したいと言う理由を認めてし
 まえば、早期退職自体が習慣化する恐れもありますね。
   今回の早期退職は、見かけ上は100日プロジェクトの結果として、中期的な人員削減施策の中に位置
 づけられています。統合によって人員のだぶつく部門があるので、主にその整理のために、単発に行うも
 のと思ったのですが、人員構成スリム化という話を聞かされると、どうも単発ではないらしいと言う懸念が
 出てきますね。

C) 重複部門の整理のためだけが目的では無いということですね。

B) ワールドカップみたいに恒例行事化したらたまりませんね、今年は「南アフリカ早期退職」。4年後は「ブ
 ラジル早期退職」みたいな。


− 早期退職の人数は −

A) 早期退職の推定人数1200名をどう見ますか。

C) 前回NECエレクトロニクスで実施されたときには685名が応募しました。ルネサステクノロジでは約
 600名と聞いています。今回の目標は、ほぼその合算値に近いですね。

B) 日立超LSIシステムズ(日立超L)と言う設計会社があります。ここはEL側のルネサスマイクロシステ
 ム(RMS)とほぼ同じ業態の会社です。ここでも昨年230名の早期退職を実施しました。

A) つまり合計人数では1500名超ですね。いずれにしろ、ここ2年間に実施したのと同規模の退職者が
 見込まれているということです。ただし、ELの場合、前回は40歳以上が対象でしたね。RTは実は50歳
 以上が対象でした。40代に展開されるのは、今回が初めてです。

C) 2008年のELの早期退職取得者について、もう少し詳しく説明します。当時のNECエレクトロニクス
 本体の従業員約5400名のうち、早期退職取得者が約160名いた様です。この内、労働組合員は約
 70名で、残りは管理職でした。つまり管理職が過半数を占めていました。ここにひとつ特徴があります。
  それから当時はNFAS(エヌファス)と言う名前の、試作開発に関わる製造子会社がありました。この
 NFASからは約90名が早期退職に応募しました。当時のNFASの従業員数は1000名を切っていた様
 です から、かなりの割合だと言えます。
  他にはRMSの前身であるNMSから約70名が応募しています。NMSは従業員数約1800名でしたか
 ら、やはり本体よりも割合としては多かったと言えそうです。
  そして残りが製造子会社であるとすれば、製造子会社からの応募者は約370名と推定されます。

A) 大事な点が3つあります。ひとつは、EL本体の労働組合員の退職者が少ないこと、2つ目は、本体よ
 りも子会社に影響が出やすいこと、そして3つ目は、前回は製造部門へのしわ寄せがきつかったのでは
 ないかと言う事です。

B) 3つ目の点について言えば、だから今回は間接の、つまりホワイトカラーをターゲットにすると言うこと
 なのかも知れません。

C) 2つ目の子会社への影響という点が気になります。ルネサス販売はどうなるでしょうか。特約店にも
 200名が異動すると書かれてありますよ。特に地方の販売拠点が一番厳しい目に遭いそうな気がして
 なりません。
  それと労働組合員の退職者が少なかったと言いましたが、それは本体の話で、NFASは圧倒的多数が
 組合員だったのです。約90名の内、およそ80名が組合員でした。NMSもそうです。こちらで把握してい
 る範囲で言いますと、NMS全社で74名が退職し、その内63名までが主任以下でした。だから労働組合
 員と言っても、本体と子会社とでは全然違うと考えた方がいい。その意味でもやはりルネサス販売などが
 心配です。

D) しかし見方を変えれば、EL本体の組合員はかなり生き残りました。これには労働組合の貢献も大いに
 あったと見なせるかも知れませんね。