ルネサス懇、育児施策を語り合う。

− 育児休職 −

【育児休職】

A) では次に、育児休職制度を見てみましょうか。新制度はRTの制度にあわせた様ですね。子が満1歳
 に達する日以降の最初の3月31日または満1歳2ヶ月に達する日までとなっています。

C) ELの制度は、1歳の3月31日か、または1歳6ヶ月でした。ただし延長は2週間でした。RTの制度は
 延長が最大で6ヶ月と長いですね。

E) 制度としては、ELもRTも同水準だと思います。いずれにしたって、子供は1歳で保育施設に預けて、
 早く復職しろということでしょう。日立は小学校1年生まで通算で3年間取得が出来ます。東芝などは3歳
 まで取得可能ですね。2歳までと言う会社は電機に限らず多いですよ。それらと比べると、大手としては
 必ずしも進んでいると言えないのではないでしょうか。

F) ELの制度はNECと同じですものね。NECも以前は育児で先頭集団を走っていると思っていたけど、
 いつの間にか第2集団に吸収されてしまったわね。

B) 私が知らない内に、日立はそこまで行っていたのですね。

E) そうよ。あなたたちは、制度改定前に勝手に日立から出て行っちゃうからいけないのよ。

B) 別に勝手に出て行った訳では。ところで、私の親の世代などは、子供は3歳くらいまで親が面倒を見
 るべきなんて言う価値観もままあります。そういう身内からのプレッシャーがあると、復職したくても出来
 ないから、いっそ1歳で復職しなきゃいけないと言う制度の方が有り難かったりして。

F) 母親だって、幼い子供を長時間預けることには、後ろめたさがあるのよ。だって親の勤務時間プラス
 往復の通勤時間分を預けているのよ。親が会社に居るより、子供が託児施設にいる時間の方が長いん
 だから。だからつい、「保育師は育児のプロだから、プロに託すのが一番」って言っちゃったりするのよ。
 それで誰かに「そうだよ」って言って欲しいの。

E) 公立の保育園のように、しっかりしているところなら、本当にその通りで、子供の育つ環境としては、
 親が一人の子を一人で育てているよりも良いと思います。だけど託児所もピンキリね。無認可の保育所
 もあるしね。しかも無認可施設を含めても、施設数はまだ足りなくて、待機児童が大勢居るのが現実で
 す。待機児童は全国で約5万人いると聞きます。

B) 私の子供が通っている保育園も、つい先月ですけど、同じクラスの子が親の転勤で退園したんです。
 すると、あっと言う間に別の子が入園してきました。

C) 川崎市はねえ、待機児童が多いことで有名なんですよ。

E) そうね。川崎に横浜、それに東京都も。

D) 相模原も全国屈指と言われていますよ。ルネサスの事業所のある自治体は、育児環境としては、あ
 まり恵まれていない様ですね。

F) 待機児童も心配の種ね。保育園の入園申請って、受付は冬でしょう。それに申請しても、わりと直前
 まで入れるかどうかも分からないから、不安なんですよ。自治体によっては、3月になってやっと入園で
 きるかどうか知らされるでしょう。だから、育児休職期間が3月末までだと、いざと言うとき慌てるわね。
  それから、無事に行き先の保育園が決まっても、子供がうまく適応してくれるかどうかも心配なのよ。
 性格の向き不向きもあるし、まだ気付いていない障がいや病気があるかも知れないし。無事に通い始め
 ても、病気にならないかとか、他の子とトラブルを起こさないかとか、登園拒否にならないかとか、ずっと
 心配が心の片隅にあるわね。

E) そうね。だから同じ3年分の育児休職でも、東芝のような3歳までと決める制度よりも、日立のように
 通算で3年としてくれる方が、有り難いわね。