ルネサス懇、「2011春闘」を語り合う。

− まとめ −

【まとめ】

A) 本日も長時間にわたる議論をしていただき、ご苦労様でした。
  まず賃金要求に対する評価についてですが、賃金体系の維持よりも重要なのが賃金水準の維持です
 ね。そのためには昇格が従来どおりきちんと実施されているかについて、チェックが必要だと言う話でした。
 方法としては、ある年齢における昇格率を協定する等が有効かも知れません。そもそも賃金体系維持を
 春闘で労組側から要求すること自体がおかしいという考え方もあります。それから、2009年度で40歳の
 賃金カーブと35歳の賃金カーブで、月収レベルで数万円の違いがあるのではないかとの指摘もありました。
 これの原因については、電機連合に調査をお願いしたいところです。
  一時金については、営業利益をもとに、過去のRTの実績をベースに考えるのなら、4.4ヶ月が妥当で
 しょう。ELを基準にしても4.3ヶ月くらいになるでしょう。しかし一方で、直近で返済が必要な借金を多く抱
 えている財務体質を考慮すると、経営が見た目より苦しい状況にある事も理解しなければいけないと思い
 ます。この会社の経営における一番の問題は、長年の赤字体質を脱却できていない事にあると思います。
 したがって、単に一時金を我慢すれば会社が存続するとか、多めに要求すれば潰れるとか考えるのは、
 本質から外れていて、如何にして会社を赤字体質から脱却させるかが重要であり、むしろ、もし必要なら
 一時金もそれなりの水準を出す方が賢明と考えられます。100日プロジェクトを達成していく上では、労働
 者個人が主体的に業務に向うことが不可欠です。会社において自分達こそが主人公であるとの感覚は、
 相応の処遇があればこそ持てるものかも知れませんからね。
  それから最後に、要求を実現するための闘い方として、最も重要なのは要求を集約することであるとの
 結論になったと思います。もともと個人で異なる要求を持った労働者が、お互いの妥協点を探って、要求
 を集約する過程は、とどのつまり労働者の団結そのものであると考えられます。要求の集約無くして団結
 なく、団結なくしてストなど困難ではないでしょうか。今日は私たちの要求を集約する方法について話し合
 うことは出来ませんでしたが、重要なテーマですので、いずれまた取り上げるとしましょう。
  次回は5月か6月に、ルネサスの1周年を振り返ってみたいと考えています。またもし4月に時間が持て
 ましたら、長時間労働の問題を取り上げたいと思います。その際には、また闊達なご意見を頂けたらと思
 います。今日もお忙しいなかお集まりいただき、ありがとうございました。