ルネサス懇、「2011春闘」を語り合う。
− 春闘アンケートの結果より −
【春闘アンケートの結果より】
A) では一旦ここで、我々の行った春闘アンケートの集計結果を見てみましょう。今回のアンケートでは、
計92名の方から回答を頂くことができました。この内、男性は81名で女性は8名です。年齢別で見ると、
30代の若い社員の回答が過半数を占め、40代をあわせると77%に達しています。事業場別では、武
蔵事業場の方が44名と最も多く、次いで玉川が17名、那珂が9名でした。
<グラフ4 : 回答者年齢>
A) まず、生活実感から見てみましょう。「かなり苦しい」「やや苦しい」をあわせると、58%になっています。
また、「ややゆとりがある」と「かなりゆとりがある」の合計は5%で、全体としてみると、生活実感は苦しい
という意見が多数を占めています。多数派を占めている30代と40代を比較すると、40代の方が「苦しい」
と回答する割合が高くなっています。
<グラフ5 : 生活実感>
<グラフ6 : 年齢ごとの生活実感>
A) 次に賃金の必要額です。「あなたの生活には月額であといくら必要ですか」と言う質問に対し、最も多
かった回答が「5万円以上」で、全体の34%を占めました。2番目は「3万円」で、29%を占めています。
「1万円未満」と言う回答は9%しかありませんでした。
年代別では、30代よりも40代で「5万円以上」の割合が高いのが特徴ですね。先の生活実感の回答結
果と一致しています。ちなみに電機連合の調査でも、40代以降で貯金を取り崩す家庭の割合が多いとい
うデータがありますので、その結果とも一致していると言えます。
<グラフ7 : 月額であといくら必要か>
A) 3つめは春闘評価です。昨年の春闘はどうだったかの問いに対し、「不満だが仕方が無い」と言う回答
が全体の半数で、「不満である」と言う回答も38%ありました。実に9割近い方が、不満だと感じていたと
いうことです。
<グラフ8 : 昨年の春闘に対する評価>
A) 特徴的なのは事業所による違いで、武蔵の「不満である」の割合が15%なのに対し、玉川では58%
に達しています。昨年はRTの一時金が2.0ヶ月、ELが1.75ヶ月と差が付きましたから、そのあたりの
不満の差が出たと判ります。
<グラフ9 : 事業所別の昨年の春闘に対する評価>
A) 4番目に残業時間について見ましょう。月に20時間以上の残業をしている人が全体の3/4に達して
います。40時間以上の残業者も1/3を占めていて、長時間残業体質になっているのがわかります。年
齢別で見ると、30代の長時間残業が目立っていますね。
<グラフ10 : 残業時間>
A) 事業所別で見ると、武蔵の長時間残業者が目立ちます。年齢別で見ると、長時間残業者は30代に多
いようです。
<グラフ11 : 事業所別の残業時間>
<グラフ12 : 年齢別の残業時間>
A) 次にメンタルヘルスです。不安があると答えた方が31%、通院・治療中が5%と言う結果でした。他の
電機懇の平均と比べれば少ないと言えますが、事業所間や年齢で差が出ているようです。玉川に比べて
武蔵や那珂の方が、圧倒的に不安があるとの回答が多いのが特徴です。RTの方がメンタルを病んでい
る割合が高い結果になりました。年齢別で見ると、若い人ほど不安を抱く割合が高いのも特徴です。
<グラフ13 : 事業所別のメンタルヘルス状況>
<グラフ14 : 年齢別のメンタルヘルス状況>
A) 最後に、「困っていること、不安なこと」です。賃金が低いという回答が最も多い結果になりました。これ
は電機の他社と同じ傾向です。ただ、他社の平均では「老後・年金」と回答する割合が2番目に高かった
のですが、ルネサスの特徴は「人員削減・リストラ」が第2位になっていることです。回答者に30代や40
代が多く比較的若かったこと、および現在リストラの最中であることが影響したのでしょう。
<グラフ15 : 困っていること、不安なこと>